私が初めて「白いコーヒー」をいただいた時、いつものコーヒーとはまるで違う味わいに驚きました。お茶のようなハーブテイーのような今まで味わったことのない味でした。とてもさわやかなので、飲みやすく、コーヒーであってコーヒーの味とは違うこの飲み物は「白いコーヒー」と名付けたのです。色が白い訳ではありませんが、味わいを言葉にするならいつもいただく黒いコーヒーをコーヒーと思い頂いてきましたので、この新しい味わいは「白いコーヒー」という表現が生まれました。白いコーヒーは、結工房にていだきしん先生が焙煎してくださり、誕生しました。どのように焙煎されているかをご紹介させていただきます。新しい味わいの「白いコーヒー」をお楽しみいただければありがたいです。高麗恵子
【 白いコーヒーの焙煎方法 】
いだきしん先生が焙煎される「白いコーヒー」は一般的なコーヒー(黒いコーヒー)の焙煎と比べ、弱い火力で時間をかけてじっくりと焙煎されています。豆の内部までしっかりと熱が加わっており、表面は褐色に色づいてはいませんが、焙煎によって生成されるコーヒー豆の旨味や甘味がとても良く感じられるコーヒーです。白いとは言っても、生豆の状態とは違い、コーヒーの旨味や甘味が感じられるのは、豆の温度が150度あたりからショ糖とタンパク質がメイラード反応を起こしているからと考えられます。その後焙煎が進み、豆の温度が160度くらいからは糖類のカラメル化が起こり、表面は少しずつ褐色に色づきはじめ、香ばしさや苦味も生み出します。このカラメル化が本格的に起こる前に「白いコーヒー」は完成いたします。苦くないのでコーヒーが苦手という方もお茶のように飲みやすく、且つコーヒー豆のもつ味わい豊かな「白いコーヒー」の誕生です。
【 期待される成分 】
コーヒーにはカフェインが多く含まれていることはよく知られていますが、それ以上に多い成分がポリフェノールの一種、クロロゲン酸です。クロロゲン酸は生豆の状態が一番多く含まれていて、焙煎が浅煎り、深煎りと進むにつれて加水分解され減少することがわかっております。一般的な黒いコーヒーでも赤ワインに匹敵するほどのポリフェノール量が含まれていますが、「白いコーヒー」は焙煎を低温で終えていることから、クロロゲン酸がより多く残っていると考えられます。
高麗恵子